UMPC「GPD Pocket3」を購入してみました。UMPCだけでなくノートパソコン全体で見ても品質が良く、動作も安定しており、実用的に利用できるUMPCでした。
GPD Pocket3のスペック
Pro版 | Ultimate版 | |
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OS | Windows 11 | |
SoC | Pentium N6000 (4コア/4スレッド) | Core i7-1195G7 (4コア/8スレッド) |
ディスプレイ | 8インチ(1,920×1,200), IPS, Gorilla Glass5 | |
RAM | 8GB | 16GB |
内部ストレージ | 512GB | 1TB |
インカメラ | 200万画素 | |
バッテリー | 38.5Wh | |
Wi-Fi | 802.11a/b/g/n/ac/ax | |
Bluetooth | Bluetooth 5.0 | |
スピーカー | ステレオ | |
サイズ | 198 x 137 x 20 mm | |
重量 | 725g | |
カラー | ガンカラー | |
端子 | USB Type-C 3.2 Gen2, HDMI 2.0b, USB-A 3.2 Gen2 | Thunderbolt 4, HDMI 2.0, USB-A 3.2 Gen2 |
その他 | 指紋認証, USB-A 3.2 Gen1, RJ45, イヤホンジャック | |
価格 | 93,450円 | 155,000円 |
今回購入したGPD Pocket3はPro版のPentium N6000/RAM8GB/SSD512GBモデルです。Pentiumですが、4コア4スレッドで現代的な性能を備えています。よりハイスペックなCore i7-1195G7/RAM16GB/SSD1TBを搭載したUltimate版も存在します。
軽作業メインだったのと、発熱とバッテリー持ちを重視して、PentiumのPro版を購入しました。
スタイリッシュなGPD Pocket3:デザイン
GPD Pocket3のデザインは、明らかにGPD Pocket2などの旧機種と異なり、格段に洗練され質感も良くなりました。
製品紹介ページで、”Apple社のデバイスと同じユニボディデザインで製造された軽くて丈夫なオールアルミニウム(6061)製を採用”と書くだけあり、MacBook Airなどと触り比べても、見劣りしません。
GPD Pocket3の筐体カラーは、”ガンカラー”と称されており、スペースグレーよりも更にブラックとブラウン感がある色合い。とてもかっこいい仕上がりです。
左側面には、USB Type-CとフルサイズのHDMI、右側面にはUSB-A×2と3.5mmのイヤホンジャックがあります。
背面にはLANポートやUSB-Aポートがあります。右側のポートは、モジュール式になっており、HDMI入力のキャプチャーボードに変更したり、RS-232シリアルインターフェースにも変えることができます。このあたりはサーバー運用などをする技術者向けの機能です。
昔の携帯電話のように、ディスプレイを180度回転させて、タブレットライクな状態にすることもできます。
iPad mini 6とGPD Pocket3のサイズ比較
サイズの比較対象として、GPD Pocket3の横にiPad mini 第6世代を並べてみました。全体的な面積はiPad mini 6と同じくらいで、厚みは3倍くらいあります。GPD Pocket3は、このサイズに、キーボードや多様なポートが収まっており、十分コンパクトです。
キーボード・トラックパッド
GPD Pocketのキー配列は少し、特殊ではありますが、必要なキーにはすぐアクセスできる設計になっています。基本的な文字入力は、スムーズに行えます。ただ、数字キーやファンクションキーは、少し小さいため慣れが必要です。
厳しめな評価をすると、キーを強めに打つと、微妙な振動を感じます。キーがぶれたりたわんだりはしないので、問題ありません。微妙な振動感が気になる人もいるかもしれません。
トラックパッドは、小さいながらも滑りはスムーズです。軌跡の速度を少し早めにしておくと、端から端まで快適に操作できました。タッチに対してリニアな操作反応です。もちろん小さくはあるので、通常サイズのノートPCよりは操作のスピードは落ちますが、許容範囲内。
GPD Pocket3の性能・動作感
Pentium N6000は、4コア4スレッドあるので、ほとんどの動作がスムーズです。Officeの操作やブラウジング、YouTubeで動画を視聴、WordPressでブログを執筆などで不満を感じることはありませんでした。簡単な写真編集くらいなら余裕で、動画編集など重い作業は厳しいと思います。
Surface Go2(Pentium 4425Y)は、普段使いにストレスの溜まる動作速度でしたが、同じPentiumシリーズでもGPD Poekct3は快適で実用的。アプリケーションの起動速度、初期化のスピードなどが全然違います。
バッテリー持ち
ブログ執筆やWordやExcelの作業、ブラウジングなどで、だいたい8時間くらいのバッテリー持ちでした。軽作業メインであれば、十分充電器なしでの持ち運びもできます。このスペックなので、ヘビーな作業をする人はいないと思いますが。
思ったより高品質なスピーカー
使ってみて驚いた点が、スピーカーの音質でした。GPD Pocket3は、ステレオスピーカーを搭載し、高音質なサウンド再生が可能です。もちろん、MacやiPad級とまでは行きませんが、音にチープさはなくアニメや映画を見る分には十分です。
インカメラは良くない
UMPCでありながらGPD Pocket3には、インカメラが搭載されており、Zoomなどのビデオ会議に参加することができます。ただし、200万画素と低画素で、画質はイマイチです。出先などで緊急の会議が入ったとき用で、普段はWebカメラをつけるか別のノートPCが良いです。
その他:スタイラスペンへの対応
GPD Pocket3は、4,096段階の筆圧検知に対応しています。Surfaceペンが使え、Microsoft MPP 2.0プロトコルに対応。この点に関しては、筆者は最適なスタイラスペンを持っていないので試していません。
総評:中華メーカーの域は脱した
2021年後半ぐらいに発売したGPD Pocket3から、GPDの製品は格段にクオリティが向上してきたように感じます。目立った不具合や電源周りの不安定さは一切ありません。また、筐体の金属加工の質も向上し、Apple製品と並べても全然劣らず、どれを見てもハイクオリティです。これまで使ったことのあるUMPCの中でも安定しており、中華製品的なキワモノ感はなくなりました。
ノートPCライクに使う7-10インチ台のUMPCを探すのであれば、GPD Pocket 3は、間違いなく候補の一番上に来る製品です。もちろん、コンパクトさ故に、配列などに特殊な部分もありますが、それを考慮せずとも、誰が使っても使いやすい製品になりつつあります。
Pro版が約9.3万円という価格は、スペックだけ見ると高めです。ただ、8インチというUMPCという特徴は、他の製品にはない唯一無二の点で、尚且つ後悔しないクオリティのため刺さる人は買いなPCです。
Source: 天空
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