9月30日に発表された「Pixel 5」。5Gに対応したものの、Pixel 4から実質的な性能はダウン(Snapdragon855→765G)し、Motion Sense機能が省かれたりするなど、他社のスマートフォンに比べると、”強さ”や”面白み”はなくなっています。
しかし、筆者は、そこに伝わりにくい良さがあると感じていて、Pixel 5はある種の引き算の結果、スマートフォンとしての完成を目指したのではないかと思っています。価格も74,800円と最近の上位モデルにしてはお手頃。なぜ、他のどんなAndroidスマートフォンより「Pixel 5」が欲しいと思ったののか、ポイントをまとめてみました。
スペック:Pixel 5 VS Pixel 4
Pixel 5 | Pixel 4 | |
---|---|---|
OS | Android 11 | |
SoC | Snapdragon 765G | Snapdragon 855 |
ディスプレイ | 6インチ FHD+(1080 x 2340)OLED | 5.7インチ FHD+, OLED |
RAM | 8GB | 6GB |
内部ストレージ | 128GB | 64/128GB |
アウトカメラ | 1200万画素(光学/電子手ブレ補正) + 1600万画素(超広角) | 1200万画素(光学/電子手ブレ補正) + 1600万画素(望遠) |
インカメラ | 800万画素 | 800万画素(広角)NIR フラッド エミッター、NIR ドット プロジェクター |
バッテリー | 4,000mAh | 2,800mAh |
GPS | GPS、GLONASS、Galileo、QZSS、BeiDou | GPS、GLONASS、Galileo、BeiDou |
Wi-Fi, Bluetooth | 802.11a/b/g/n/ac, Bluetooth 5.0 | |
LTE | B1/2/3/4/5/7/8/12/13/14/17/18/19/20/25/26/28/29/30/32/38/39/40/41/42/46/48/66/71 | 対応バンド 1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/20/21/25/26/28/38/39/40/41/42/66 |
5G | n1/3/5/7/8/28/40/77/78 | × |
サイズ・重量 | 144.7 x 70.4 x 8.0mm、151g | 147.1 x 68.8 x 8.2mm、162g |
カラー | Just Black, Sorta Sage | Just Black, Clearly White |
その他 | ステレオスピーカー、防水、Felica |
Pixel 4からの大きな変更点としては、5G対応、指紋認証、バッテリーが大容量化、RAM増量とアウトカメラのうち一つが望遠→広角になったのが大きな違い。
Pixel 4のときからバッテリーの持ちの悪さは指摘されており、大幅に増えたことによって改善は期待できます。
価格:7.5万円とお手頃
モデル | 価格 |
---|---|
Pixel 5 | 74,800円 |
Pixel 4a(5G) | 60,500円 |
Pixel 4a | 42,900円 |
Pixel 4 | 89,980円 |
Pixel 5は昨年の4よりも大幅に値下がりしており、74,800円で購入可能。4a(5G)とはSoCが同じ、RAMは増、防水搭載で1万円差となっており、4a(5G)を買うくらいであればPixel 5をおすすめしたいところ。
各社の上位モデルが10万円超え20万円に近づいていく中で、「Googleがお届けする究極の5Gスマートフォン」という触れ込みのスマホが7.5万円というのは非常にお手頃な気がします。
性能:なぜSnapdragon 865ではなかったのか?
これまでのPixelシリーズは 、Snapdragonの最上位級のチップを搭載してきましたが、今回はあえて865ではなく765Gを採用。5Gに対応こそしていますが、昨年のPixel 4の855よりも実質的な性能は低くなり、ミッドハイな性能になりました。
Google最高のスマホでありながら、ハイエンドではない所に失望した人も多くいることでしょう。ただ、よくよく考えてみると、ほとんどの人にとって普段使いにはSnapdragon 765Gで十分。このスペックで、SNSやブラウジング、ゲームも快適にできますし、実機も触ってみましたが、色々カスタムされた他社のスマホよりも圧倒的になめらかに動作していました。
筆者にとっても、おそらく多くの人にとっても、現状のハイエンドの性能は不要。
サイズ:もちやすい大きさ・重さ
Pixelシリーズの特徴的な点としては、Android一番といってもいいほどの持ちやすさ。Pixel 4や4aなどからわずかにサイズアップしているものの、それでも横幅は70.4mm。iPhone 11の75.7mmと比べると遥かに細いですし、200gを超えているスマホも多い中で、151gと適度な軽さに仕上がっています。
商品ページで見たときは、ベゼルの太さなどに野暮ったさを感じていたのですが、実機ではそれがなく、持ちやすさも相まってディスプレイの没入感は高め。
指紋認証
Pixel 4では顔認証のみでしたが、Pixel 5では指紋認証が復活。マスクをする機会が増え、指紋認証が必須となりつつありますが、搭載位置は背面。画面内指紋認証が一般的になりつつありますが、コストや耐久性を考えると背面だったのかもしれません。デザイン的にもうまくまとまっているのでそこまで気になることはないでしょう。
諸機能:おサイフ・防水
安定して、防水(IPX8)とおサイフケータイ(felica)機能を搭載。ワイヤレス充電にも対応しています。このあたりは当たり前になりつつありますが、ちゃんとPixel 5も抑えています。
総評:無駄がなく必要が詰まったスマホ
筆者がPixel 5に惹かれるのは、無駄な部分がなく必要なところはちゃんと抑えられているからだと思います。スマートフォンの性能向上や活用の幅にも限界が来ており、カメラの数を増やしたり、最上位のSoCを搭載したり、大画面化したりなど、「すべてのスマホにおいて一番良い」を目指すこともできますが、それで価格が高くなってしまっては、「多くの人にとっての良い」を目指すことが出来ないのも事実。
勿論、そういった突き抜けた部分にもスマホの面白さはありますが、実際に使ってみると尖りすぎていて扱いづらくなってしまうことも。Pixel 5はそうした尖った無駄を削り、すべての人にとって最大公約数的な性能と価格のバランスをとった「Googleがお届けする究極の5Gスマートフォン」ところが良いのかもしれません。
Source:Google
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