デスクトップPCくらいハイスペックさを持ち運びたい、そして画面の大きさを妥協したくないといった欲張りな願望を叶えてくれるマシン「DELL XPS 17 (9700 / 9710)」が存在します。
17インチと大型ディスプレイでありながら、筐体サイズは15インチノートPCレベル。そこに、Core i9やNVIDIAのGPUを搭載した夢のようなマシンです。
デルアンバサダープログラムで「XPS 17 (9700)」をお借りすることができたのでレビューしていきます。
XPS 17 (9700/9710)のスペック
XPS 17 (9700) | XPS 17 (9710) | |
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OS | Windows 10 | Windows 11 |
ディスプレイ | 17インチ(1,920×1,200), 非タッチ, 非光沢17インチ(3,840×2,400), タッチ, 反射防止 | |
CPU | Core i5-10300HCore i7-10750HCore i7-10875HCore i9-10885H | Core i7-11800HCore -i9-11900HCore i9-11980HK |
GPU | NVIDIA GeForce GTX 1650 TiNVIDIA GeForce RTX 2060 Max-Q | GeForce RTX 3060 (70W) |
RAM | 8~32GB | 16~64GB |
ストレージ | 256GB~2TB | 512GB~2TB |
インカメラ | 100万画素 | |
バッテリー | 56 / 97WHr | 97WHr |
ネットワーク | Wi-Fi 6 (802.11ax), Bluetooth 5.0 | Wi-Fi 6 (802.11ax), Bluetooth 5.1 |
サイズ | 248.05 x 364.45 x 19.5mm | |
重量 | 2.11 / 2.51kg | 2.21 / 2.42kg |
カラー | 外:プラチナシルバー内:ブラック | |
ポートとスロット | Thunderbolt3×4, SDカードスロット, 3.5mm<ヘッドホンジャック | Thunderbolt4×4, SDカードスロット, 3.5mm<ヘッドホンジャック |
その他 | 指紋認証 |
今回使用しているのは、XPS 17の中でも9700と呼ばれるCore i9-10885H・RAM32GB・SSD1TB・RTX 2060 Max-Qのモデル。
現在は、筐体サイズなどは共通ですが、内部のCPUが第11世代のCore i7/i9に、PUが最新のRTX 3060になった、9710が販売されています。
パッケージ:ハブも付いている
パッケージは、黒をベースとした高級感のある外観。
開封すると本体と対面。
内容物は、XPS 17と充電器・充電ケーブル、USB Type-Cハブ、説明書。
付属のUSB Type-Cハブは、コンパクトでありながらもHDMIとUSB-Aに対応しています。
17インチのdGPUを搭載したハイスペックノートPCを充電するため、充電器は130Wと超巨大。ケーブルも太く持ち運ぶには向かないので、持ち運び用や仕事場用に USB PDに対応した100Wくらいの充電器を持っておくと良いかもしれません。
デザイン:17インチなのに15インチノートPCのサイズ
デルのロゴだけが印字されたシンプルな天板。遠目から外観を見ると、他のXPS 13や15と見分けが付かない、統一感のあるデザイン。
13インチの MacBook Airと並べてみました。画面が17インチとかなり大型ですが、サイズ感的には15インチノートPCくらいの感覚で収まっています。また、厚みもMacBook Airが16.1mmに対し、 XPS 17は19.3mmに収められています。
重量も 2.51kgで、ハイエンドなCPUにハイエンドなGPUが詰め込みながらも、手にもって移動はできるノートPCに仕上がっています。
ポートは、左側面にThunderbolt3 (USB Type-C)が2つ、右側面にThunderbolt3 (USB Type-C)とSDカードスロットとイヤホンジャックのみ。Thunderbolt3については、全てDisplayPortと電源供給に対応しています。
ポートが豊富で、仕様もしっかりしているのはありがたいですが、折角厚みもあるならハブではなく、HDMIやUSB-Aなどがあってもいいのになと思ったりします。
ちょっと不満なのがキーボード。17インチであることもあり、左右に余裕があるにも関わらず、キーのサイズや位置は13インチノートPCと同じ大きさです。これだけのサイズがあるので、肩を開き気味にゆったり文字入力したいのですが、すこし窮屈な印象を受けます。
また、キー自体も少し浅く、ふわっとした打鍵感になっています。トラックパッドとの位置関係にも慣れればスムーズに入力できますが、もうちょっとスペースを有効活用した設計になってほしい所。
ちなみに、右上には電源ボタンと一体化した指紋センサーが搭載されており、ロック解除に使うことができます。
持ち運び:ヘビーだけどできなくはない
本体は15インチ級のサイズで重量は2.11kgなので、カバンにPC本体と充電器を入れると、持ち運べなくはないけど、毎日はしんどく感じる重量です。1, 2時間電車に乗って毎日自宅と仕事場を往復するという使い方は、忍耐力が試されます。充電器を自宅と仕事場それぞれに用意しておき、普段は軽量ノートPC、週に1回程度XPS 17を持ち運ぶ程度であれば許容できます。
自動車通勤とかで荷物の重さが気にならない場合や移動距離が短い場合は、まったく問題にならないでしょう。もちろん、家の中やオフィス内を移動する程度であれば大丈夫です。
ディスプレイ:圧巻の4K・余裕のある17インチ
17インチ・4K(3,840 x 2,400)のディスプレイの美しさは圧倒的です。写真を表示させても動画をみても、綺麗さに飲み込まれそうになります。
画面サイズは17インチとノートパソコンの領域を超え、デスクトップPCの領域へと足を踏み入れており、作業領域にも余裕は段違い。ウィンドウを3つ, 4つ切り替えながら作業しても、それぞれのウィンドウに十分な表示領域が確保されています。ブログを執筆したり、文書を作成したりといって作業でも、効率が段違いでした。
パフォーマンス:ハイスペック・短期決戦型
今回レビューしたモデルはCore-i9 10885H(8コア16スレッド)・RAM32GB・RTX2060 with Max-Qのスペックのモデル。ノートPCとしては、最高峰に近いスペックで、デスクトップPCにも匹敵する性能になっています。詳しいベンチマークスコアなどは掲載しませんが、ゲームや動画編集をするのには、十分な性能を備えています。
筆者の主な用途であるデータ分析や計算用途でも、XPS 17のハイスペックさは活かされます。CPUの高性能さに加えてGPGPUによる演算で、通常よりも大幅な時間短縮をすることができました。
ただし、やっぱりノートPCなので放熱には限界があり、長時間負荷を掛け続ける状態になると、クロック数が下がるサーマルスロットリングが発生します。数時間ずっとシミュレーションをしたり、分析を回したりといった用途には、あまり向いていません。逆に写真や動画編集とかゲームなど、短時間で高い処理性能を要求する作業向きなマシンといえるでしょう。
ベンチマークに関しては上の記事が詳しい。
ゲームのベンチマークについては、上の記事が詳しい。
バッテリー持ち
バッテリーは97 WHrと、ノートパソコンとしては超巨大ともいえる容量のものを搭載しています。公称では、UHD+パネルモデルで、生産性アプリケーションで最大14時間8分、Netflixストリーミング再生では最大7時間28分と謡われています(フルHDモデルなら1.5倍から2倍程度持つ)。
実際に使ってみた際のバッテリー持ちは、文書作業であれば数時間程度(4~6時間)、パソコン本体に負荷のかかる動画編集や分析などを行って、GPUも回していくともっと短くなります。カフェでちょっと息抜きに作業する程度であれば問題ありませんが、出先で充電器なしでがっつり作業するのは厳しめです。基本的には、充電器を持ち運ぶか、出先にも充電器を置いておき、充電環境の構築は必須です。
これは4Kモデルであるためな点も大きく影響しています。持ち運ぶことを重視するのであれば、XPS 17 (9710)でモデル選択の際に、ディスプレイを4Kにすることをおすすめします。XPS 17 (9710)では、自分に必要なスペックを個別に選択できるようになっており、CPU・GPU・RAMすべて最高スペックにしても、ディスプレイはフルHDという選択ができるようになっています。
おすすめする使い方
デスクトップPCライクに
おすすめの用途としては、外部ディスプレイとマウス・キーボードを用意して、デスクトップPCライクに使うことです。自宅ではUSB Type-Cケーブルを一本接続してデスクトップPC風に、外に出かけるときはケーブルを引っこ抜いて、カバンに入れるだけで、いつもの作業環境で作業することができます。
また、デスクトップPCライクに使う際、ノートPCの画面が17インチもあるので、実質的なサブモニターとして使えます。
自宅にデスクトップPCを置けない人
マンション住まいなどで、自分専用の書斎が持てない場合や作業環境を構築できない場合にも、おすすめです。食卓などノートパソコンを置くスペースさえ確保できれば、その場所にハイスペックな作業環境を構築することができてしまいます。クリエイティブなことをしたいけれど、デスクトップPCは置けなくて困っている人にとっては、ピッタリなノートパソコンと言えるでしょう。
総評:サイズと性能+スタイリシュさ
XPS 17は、ディスプレイの大きさを活かし、うまくそのサイズの中に性能をギュッと凝縮しています。DELLのプレミアムなモデルのラインアップはXPS 13, 15, 17と3モデルありますが、その中でも特に大きさとスペックに割り振ったモデルに仕上がっています。価格は最安モデルでも318,980円と高めですが、性能や品質に加え、DELLらしいスタイリッシュさがあり、他のゲーミングノートなどとは一線を画します。
XPS 17は、ハイスペックさを重視しながら、オシャレに持ち運びすることも視野に入れつつ、クリエティブな作業にどんどん活用していきたい人に向いています。
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