新製品発表会「Galaxy Unpacked 2020」が開催され、新しいハイエンドタブレットとして「Galaxy Tab S7」と「Galaxy Tab S7+」が登場しました。この記事では新しく登場したモデルが、旧モデル「Galaxy Tab S6」や廉価モデル「Galaxy Tab S6 Lite」、Appleの「iPadシリーズ」に対してどういったアドバンテージが存在するのか見ていきます。
Galaxy Tab S7, Tab S6, Tab S6 Liteのスペック
Tab S7 | Tab S6 | Tab S6 Lite | |
---|---|---|---|
SoC | SDM865+ | SD855 | Exynos 9611 |
ディスプレイ | 11インチ(2560×1600)120Hz | 10.5インチ(2560×1600)有機EL | 10.4インチ (2000×1200) |
RAM | 6GB | 6/8GB | 4GB |
ストレージ | 128~512GB( | 128 / 256GB | 64 / 128GB |
アウトカメラ | 1300万画素+500万画素(超広角) | 1300万画素+500万画素(超広角) | 800万画素 |
インカメラ | 800万画素 | 500万画素 | |
バッテリー | 8,000mAh | 7,040mAh | |
ネットワーク | Wi-Fi: 802.11a/b/g/n/ac/ax | Wi-Fi: 802.11a/b/g/n/ac | |
サイズ・重量 | 253.8 × 165.3 × 6.3mm | 244.5 x 159.5 x 5.7mm | 244.5 x 154.3 x 7.0mm |
重量 | 498g(Wi-Fi) | 420g | 465g |
筆圧検知 | 4,096段階 | ||
カラー | ミスティックホワイト、ブラック、ブロンズ | クラウドブルー、マウンテングレー、ローズブラッシュ | シフォンピンク, アンゴラブルー, オックスフォードグレー |
スピーカー | 4スピーカー | ステレオスピーカー |
Snapdragon 865+を採用し、バッテリー容量が増えたり、ディスプレイのリフレッシュレートが120Hzになったりしているのは大きな強化ポイント。
Tab S7の魅力:本格的に使うなら
120Hzのリフレッシュレート
Galaxy Tab S7ではついにディスプレイのリフレッシュレートが120Hzに。大画面だとハイリフレッシュレートによる、操作の滑らかさ・スムーズさを如実に実感できるので、かなり期待できるところ。後述のCLIP STUDIO PAINTなどクリエイティブな用途でも実力を発揮しそうです。
CLIP STUDIO PAINT
イラスト・マンガ制作ツール「CLIP STUDIO PAINT EX」が入っており、S-Penを活かしつつ本格的に作業ができるのは魅力。
Samsung NotesをOfficeアプリにシェア
少し気になった機能としてはSamsung Notesの、Officeアプリへの書き出し機能。発表資料を作成する際に、ちょっと手書きで文字や図を入れたいときが度々あるので、直接ファイルへS-Penで書いたものを挿入できるのはいいですね。
Androidであること
一昔前は低価格さやお手軽さが受けてAndroidタブレットがたくさんありましたが、最近精力的に廉価・ハイエンド問わず出しているのはHuaweiとSamsungくらい。特にHuaweiに関してはGoogle Play関連のサービスが使えないので、実質Samsungぐらいしか選択肢がありません。
Androidスマホ、WindowsやChromebookユーザーで、Androidのハイエンドが良い!という人には魅力的なモデルになるでしょう。
「Galaxy Tab S6 ・ Tab S6 Lite」や「iPad」で十分な理由
コストパフォーマンスは「Galaxy Tab S6 ・ Tab S6 Lite」
どこまで性能を気にするかにもよりますが、ほどほどで良かったり価格的なアドバンテージが欲しいのであれば、旧モデルとなり安くなることが見込まれる「Galaxy Tab S6」や、低価格で購入可能な「Galaxy Tab S6 Lite」の方が良さそうです。特に論文を読んだり、ノートを作成したりといったことに関しては、大きな差はなさそうなので、Tab S6シリーズでも満足できるでしょう。
「iPad Pro」はやっぱりアプリ・情報が豊富
現時点ではiPad ProなどiPadシリーズに対する決定的な魅力はなく、あくまで性能・機能面で張り合っただけにも見えてしまいます。一般人におすすめするとしたら、やっぱり売れていたり、情報が多かったり、画像・動画編集などで性能を活かせるアプリが豊富だったりして、買う前から色々と思索しやすい「とりあえずiPad」となってしまいます。
Androidタブレットの選択肢の一つとはなりえますが、「Galaxy Tab S7」でなければならない理由はなく、普通のユーザーには特筆して目立つところを見出しにくい状況になっています。
価格比較
モデル | 価格 |
---|---|
Galaxy Tab S7 | 649ドル(68,510円)〜 |
Galaxy Tab S6 | 649ドル(発売時1年前) |
Galaxy Tab S6 Lite | 349.99ドル(36,939円) |
iPad Pro 11 + Apple Pencil2 | 99,300円(税別) |
iPad 第7世代 + Apple Pencil | 45,600円(税別) |
Galaxy Note20シリーズなどの価格から見ると、Galaxy Tabシリーズは比較的お手頃価格になっており、S6→S7は据え置き。ちょうど半額くらいの位置にTab S6 Liteがあり、バランスのいい価格構成です。
ハイエンドタブレットとしてはiPad ProよりもGalaxy Tab S7のほうが買いやすい値段設定なのは見どころになるでしょう。
総評:普通の人は旧モデルかiPad
もちろん、「ハイスペックなAndroidタブレットが好き」「Galaxy Tabシリーズじゃないとダメ!」という人がいるのも理解しますし、そういったところに対してこういった製品の需要が存在するとは思います。また、120Hzのリフレッシュレートなど、今回「CLIP STUDIO PAINT EX」を搭載し、新規にハイエンドタブレットを購入する層を開拓しているのも非常に評価できる点です。
ただ、新モデルとして「Galaxy Tab S7シリーズ」が出てきたとはいえ、これでなければ駄目な理由がないのも確かなところ。仕事やクリエイティブな用途ならまだしも、一般のユーザーが日常生活において高いコストを払ってこれを買うより、安いモデルを買ってその分のコストを他に回す方が有意義。
誰しもがノートPCのスペックを持って買わなくなったように、普通のユーザーにとっては適切な価格で適切なスペックを買うべき時代が来ており、必要ない人は最新モデルじゃなくていいのかもしれません。
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