2018年5月にHUAWEI MediaPad M5シリーズが登場してからもうすぐ2年くらい経過しますが、国内では一向にハイエンドタブレットの後継機の音沙汰がないまま今に至ります。
しかし、海外市場においては昨年の6月頃に「MediaPad M6」シリーズが発表されており、今回P30 Proと同じSoC、Kirin980を搭載した「MediaPad M6 8.4」のLTEモデルを入手したのでレビューしていきます。
MediaPad M6 8.4はどんなタブレット?
MediaPad M6 8.4 | MediaPad M5 8.4 | |
---|---|---|
OS | Android 9.0 / EMUI 9.0 | |
SoC | Kirin 980 | Kirin 960 |
ディスプレイ | 8.4インチ, IPS, 2560 x 1600 | |
RAM | 4GB | |
内部ストレージ | 64GB | 32GB |
アウトカメラ | 1300万画素 | |
インカメラ | 800万画素 | |
バッテリー | 6,100mAh | 5,100mAh |
ネットワーク | FDD:B1/3/8/18/19/26(不明) | FDD:B1/3/4/5/7/8/12/17/18/19/20/26 TDD:B34/38/39/40/41 |
Wi-Fiなど | 802.11 a/b/g/n/ac, Bluetooth 5.0 | 802.11 a/b/g/n/ac, Bluetooth 4.2 |
GPS | GPS/AGPS | |
サイズ・重量 | 206.4 × 125.22 × 7.4 mm, 320g | 212.6 x 124.8 x 7.3 mm、320g |
カラー | ゴールド | スペースグレー |
その他 | 顔認証、イヤホンジャックなし | 指紋認証、イヤホンジャックなし |
最新のMate 30 ProやMatePad ProにはKirin990が搭載されていますが、MediaPad M6に関してはMate 20 Proなどと同様のKirin980を搭載。MediaPad M5に関してはKirin960とHUAWEI P10シリーズと同様だったため、性能は2世代分向上してます。
M5 8.4では搭載されていた指紋認証は無くなっており、顔認証、しかもインカメラのみで行うものになっています。
MediaPad M6の開封の儀
パッケージはホワイトでPシリーズなど他のモデルに近いデザイン。製品名が英語ではなく中国語で書かれています。
本体はピチッとしたフィルムにくるまれているのではなく、透明感のある乳白色の袋に収められており、こちらに電源ボタンの位置などがプリントされています。
内容物は、本体、充電ケーブル、充電器、USB Type−C to 3.5mmイヤホンジャック、SIMピン、説明書類。
外観
MediaPad M5 8.4との大きな違いとしては、前面から指紋センサーが省かれた点、ディスプレイの縁のラウンドがほとんどなくなった点ですね。
前者に関してはインカメラによる顔認証に切り替わっています。ディスプレイの縁がラウンドしなくなったので、保護フィルムなどが縁まできっちり貼れるのは良いところ。
背面のデザインに関しては、M5 8.4を踏襲していますが、アンテナラインが端に寄ったことで見た目的によくなりました。Harman/Cardonのロゴも入っています。
左側面には、SIMスロットとMicroSDカードスロットが、右側面には電源ボタンと音量ボタンが用意されています。
下部と上部にはそれぞれスピーカーが用意されており、ステレオスピーカーになっています。端子はUSB Type-Cで、イヤホンジャックは搭載されていません。
性能は高い
性能に関してはKirin980とMate 30・P40シリーズの一世代前のSoC。他社の製品だとSnapdragon845/855などと世代的には近いですね。
動作に関しては引っかかりなどはなく、動画視聴からブラウジング、論文PDFの閲覧まで幅広くこなせます。特にEMUI9からEMUI10にアップデートしてからより滑らかさが増しています。
筆者はゲームをしないため、その点での評価はしませんが、基本的な性能に関しイェはMate 20 Proなどとほとんど変わらないので、厳密さを求めない限りは楽しめると思います。
移動中も持ち運べるサイズ感
電車内でサッと取り出して使ったり、乗り換えの間も鞄に仕舞わず、手に持ったり小脇に抱えたまま持ち運べるのはこのタブレットの魅力。10インチ台の大きなサイズになってくると、落としてしまう心配感などから、毎回鞄にしまいますが、8.4インチだと片手でホールドできるのが良いですね。
また、小さなスマホの画面を見て論文を読んだりするのが嫌いなので、8.4インチサイズくらいあると、全体を俯瞰しながら読むことができ、作業効率の面でも捗ります。
通話もできるのでサブスマホ的立ち位置に
このサイズのタブレットでは通話できるものが多くありますが、このモデルでも通話アプリが搭載されており、データSIMだけでなく通話SIMを挿入して利用できます。メインのスマートフォンと合わせて持つ、サブスマートフォン的な使い方を筆者もしましたが、これまでスマホ2台持っていたのが1台に減らすことができ、軽量化にも貢献。
流石に移動中などに頻繁に通話するのには使いにくいですが、家で友人とオンライン通話をしながらゲームをするときには、スマートフォンよりも画面が大きいので机においたままの操作が行いやすく使い勝手は良さげでした。
残念な点:ペン非対応・ジェスチャーが使いづらい
個人的に残念な点としてはペン非対応・ジェスチャーが使いづらい点の2点がネック。
10.8インチモデルやMatePad、Mate 30 ProなどでもM−Penが使えるにも関わらず、8.4インチモデルは筆圧検知できるスタイラスを使用できないのはデメリット。このサイズで使えると、メモ帳感覚で思いついたことをサクサクメモしていけるのになーという残念感はあります。
あとは、タブレットのナビゲーションキー(ホームボタン・戻るなど)のジェスチャー機能が使いづらい点もだめ。一応アプリのサイドメニューを呼び出す操作と戻るの操作は弁別されていますが、直感的ではありません。筆者は通常の3ボタンのナビゲーションキーを表示して利用していました。
折角なので、iPadの様にマルチタッチジェスチャーでホームに戻る機能やタスクスイッチャーが呼び出せれば便利なのにと感じることがしばしばでしたね。
ディスプレイとスピーカー、バッテリー持ちは最高
実際のコンテンツを試している写真は著作権などの都合で載せられませんが、ディスプレイとスピーカーは最高。IPSの2K解像度は映画などをみたときの迫力も抜群です。
スピーカーに関してもこの小さな筐体から出る音声としては、非常に高音質で、イヤホンやBluetoothスピーカーに接続せず、タブレットのスピーカーで音楽や映画などを楽しみたいと思えるレベルです。
使い方に依存しますが、1日PDFみたり電子書籍を読んだり、YouTubeやプライム・ビデオで映像コンテンツを楽しんでも、一向にバッテリーが減っていくことはなく、2日に一回程度の充電で十分なレベル。使用頻度に寄っては3-4日は余裕で持ち出せると思います。6,100mAhの大容量バッテリーは流石でした。
安価に購入可能な最高の8.4インチタブレット
最近は7インチや8.4インチサイズのタブレットは、以前に比べると下火になっており、ローエンドな製品が多くなってきています。そんな中ファーウェイは8.4インチモデルでもかなりハイスペックな製品を出し続けてくれており、MediaPad M6 8.4に関しては、Androidのこのサイズのタブレットではでは最高スペックとも言えるほど。(国内市場では3世代前のKirin960のMediaPad M5 8.4で止まっていますが)
モデルにもよりますがWi-Fiモデルなどであれば、3.5万円程度で入手することができる様になっており、もちろん機能もありますが、トータルで考えると不満はなく、満足できる製品です。
Source:Huawei|blogofmobile
コメント