ファーウェイが販売しているタブレット「MatePad 10.4」と「MatePad Pro」の2台がちょうど手元に揃ったので、外観や使い勝手などを比較します。MatePad 10.4は3万円のミッドレンジ、MatePad Proは7万円のハイエンドモデル。価格にして約2倍ほどの差がある2モデルですが、両者にはそれだけの差が存在するかみていきます。
外観:かなり似ている
写真向かって、左側がMatePad 10.4、右側がMatePad Pro。筆者のMatePad Proは海外版なためHarman/Cardonのロゴが違いますが、それ以外全体的な外観については両者ほとんど同じ。国内版はロゴが同じなので見分けがつかないはず。長辺・短辺の差に関しても1〜4mm程度の差しかありません。
質感に関しても両モデルの間に差は感じられません。
背面パネルとフレームのつなぎ目に関しても同様。
スピーカーの配置やUSB Type-Cが少し背面側に寄っているところも同じ。
厚さについても、MatePad 10.4が7.4mm、Proが7.2mmと0.2mm程しか違いません。
さっきの厚さ比較で数値よりも差があった理由としては、カメラの出っ張りが大きく影響しています。MatePad 10.4は800万画素ですが、Proは1300万画素となっており、カメラ部分が重厚に。
平らな場所に置いたときのガタツキはProの方が大きめ。デスクなどにおいて音ゲーをするのであればケースが必須。
前面についても、ディスプレイをOFFにした状態ではほとんど見分けが付かず、インカメラがフレームにあるか、パンチホールであるか隠されてしまうと識別するのは困難になります。
ディスプレイ:Proが圧倒的に良い
筆者が一番差を感じたのはディスプレイ。MatePad 10.4は10.4インチ(2000 × 1200)のIPSディスプレイ。Proは10.8インチ(2560 x 1600, DCI-P3色域)のIPSディスプレイ。前者のディスプレイも確かに価格にしては綺麗ですが実際に目にすると、Proとは全く比べ物にならないですね。
レビューにも書きましたが、MatePad 10.4は手持ちのiPhoneやMacBook Proのディスプレイと色合いが異なり、違和感を感じていたのですが、MatePad Proにはそれを感じず白はちゃんときれいな白色として表現されています。
MatePad 10.4に関しては設定から色合いを調整することで、まともな色合いになりますが、どれだけ細かく設定してもProと同等にはなりません。画像・動画編集をするなら圧倒的にMatePad Proがおすすめですし、コンテンツを楽しむ場合でも色合いが気になるならProが良いですね。
Proの方がベゼルは細くなっています。ほんの数ミリ程度の差でしかないのですが、画面をつけた状態で実際に手にしてみると、映像や普通のブラウジングでさえ画面への没入感が異なってきます。
性能:動作に差はある
MatePad 10.4はKirin810・RAM3GB、MatePad ProはKirin990・RAM6GB。MatePadのKirin810も決して性能が低いわけではないのですが、実際使ってみると、動作のスムーズさや滑らかさは歴然。Proを触ったあとに10.4の方を触ろうとは思わなくなるレベル。
ホーム画面のスクロール、アプリ終了時のスワイプアップなど、簡単な動作であっても大きく異なりMatePad Proのディスプレイはまるでリフレッシュレートが違うかの様に感じます。EMUIが重いためか、快適に動作するためにはRAMとCPUが必要なようですね。最近のミッドレンジ帯のスマートフォンを使っている人にとってはMatePad 10.4の動作はもっさり感じるかもしれません。
M-Pencilの充電
M-Pencilの充電方法に関してはProは本体横にくっつけて充電できますが、MatePad 10.4に関しては専用ケーブルを用いる必要あり。家で使う分には問題ないでしょうが、外出先などで使う場合には荷物が増えるので注意が必要です。
スピーカー
スピーカーについてはどちらもHarman Kardonチューニングのクアッド(4)スピーカー搭載。非常に迫力・解像度のある音を鳴らしてくれます。音質差は”ない”ようで”ある”といったところ。全体的な音の広がりや深みに関しては、Proの方が良い気がしますが、本当に”気がする”というレベル。価格差からそう錯覚しているのか、本当に差があるのかは、筆者には区別がつかなかったですね。ホントに違いはごくわずかです。
キーボードカバー
- 磁石でくっつき、取り外し簡単
- 装着すると、自動的にペアリング
- ワイヤレス給電(充電不要)
- ケースタイプ、取り外し面倒
- 手動でボタンを押しペアリング
- 充電必要
キーボードカバーについてまとめておくと、どちらもBluetooth接続ですが。MatePad Proは磁石で張り付き、装着すると自動的にペアリング、給電もタブレット側から行われる便利な仕様。一方、最近(2020年10月)に登場したばかりのMatePad 10.4のケースは、ケースタイプで取り外しが面倒くさく、ボタンを押してペアリング、バッテリーを内蔵し別途充電が必要。
キーストロークはどちらもそれほど変わりませんが、ケースから取り外して使う可能性があるならば、Proがおすすめ。
SDカード・USBメモリ
SIMスロット(MicroSD or NMカード)
MatePad 10.4はMicroSDスロットがあるのに対し、ProはNMカードです。頻繁に抜き差しする用途で利用することはないとは思いますが、入手難易度や価格などを考えると、MicroSD対応の方がありがたい所。他のスマホやカメラなどで使いまわすこともできますしね。
SDカードリーダー
USB Type-Cに対応したSDカードハブを介しての、SDカードの読み込みは両機種ともに対応しています。
USB Type-Cハブ
USB Type-Cハブを介してのUSBメモリやSDカードの認識については、MatePad Proは対応していますが、MatePad 10.4は非対応。前者はUSB 3.1、後者はUSB 2.0なのでそうしたところの仕様の違いが影響している可能性が高そうです。
MatePad 10.4 or Pro、どちらを買うべき?
あくまで今回MatePad Proを購入した筆者のスタンスとしては、純粋なガジェットの面白さから買うことにしました。特に実用上ということを購入する際に考えていたわけではありませんが、ここでは両方使ってみて、筆者が一般人的な視点に立って購入するのであれば、どちらを選ぶか、またどれくらいの価格差であればMatePad Proを買うかについて紹介します。
現状、Amazonでの価格は、MatePad 10.4は30,948円、MatePad Proは 62,100円。
AppGalleryのみ・GMSの使えないガジェットを使ったことがなく、普通(一般人的)にタブレットを買うかどうかで、悩んでいるのであれば間違いなくMatePad 10.4をおすすめします。価格の安さ・性能・使い勝手・品質を考えると、MatePad 10.4は非常に良いですね。タブレットであれば動画や記事などを閲覧する時間も長く、画面が大きいのでPC版表示のブラウザ操作でも苦になりませんし、ある程度は実用的に使えます。
写真編集をしたり、M-Pencilを日常的に頻繁に使ったり、これまで性能の高いハイエンドな製品ばかり使ってきた場合は、これくらいの価格差であってもMatePad Proも選ぶ価値はあるでしょう。実際専用キーボードと組み合わせて活用していますが、ブログ更新(文章執筆・画像編集)などブラウザベースで完結する作業であれば問題なく行えています。
普通の人ならどれくらいの価格差でMatePad Pro?という所ですが、セールや中古などでMatePad Proの価格が下がっている場合、両機種の価格差が1~1.5万円程度に収まっているのであれば買い。普通の用途であってもMatePad Proを選ぶ価値はあるんじゃないかと思っています。筆者の主観的な価格差としてはそれくらい妥当であると感じています。
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