iPad Air第4世代用に、エレコムが販売している着脱式のペーパーライクフィルム・ケント紙タイプ「TB-A20MFLNSP」を購入してみました。
普通は貼ったら剥がせないのが当たり前の保護フィルムですが、この製品はなんと取り外し可能。今は文字やお絵かきするタイミングだからペーパーライクフィルム、今は動画を見るタイミングだからクリアな状態でと使い分けることができます。
発想自体は面白く、使いようによってはピッタリな人も多くいますが、筆者には合わず、ほとんど使っていません。
パッケージと内容物
エレコムの普通のフィルムのシリーズとは異なり、イラストが描かれるなど、実際に描くことを意識したデザインになっています。
内容物はフィルム本体と、フィルムを外したときに収納しておくためのファイル、説明書の3点です。
説明書には、5つくらいの様々な言語で使用法の紹介がされているものの、まさかの日本語のみ無し。英語のみ、中国語のみの説明書には遭遇したことありますが、多言語展開されていて、日本向けに販売されている商品で、日本語だけ無いというのはなかなか珍しいです。
フィルムの貼り付けと着脱
普通のフィルムは、フィルム全面でディスプレイに吸着しますが、着脱式のため両端の黒い2つのラインで、貼り付けます。貼り付け自体はマグネットではなく、ナノサクションという粘着性のある素材。
かなり強力で、全くズレる気配がありません。また、数回貼ったり剥がしたりしましたが、粘着力が落ちる様子はありません。
表示品質はペーパーライクフィルム
表示品質は良くも悪くもペーパーライクフィルムで、結構ギラつきがあります。画面は白っぽくなり、滲みもあります。この状態で写真や動画閲覧・編集をしたり、ゲームをしたりするのには向いていません。あくまでお絵かきノート用といったところ。
摩擦力UPで書き心地は良い
ペーパーライクフィルムだけあって、摩擦力がUPし、文字が非常に書きやすくなっています。接着部分が端の2点で、通常のフィルムと比べると中央部分はわずかに隙間がありますが、視差やズレなどは感じません。
エレコムの着脱式ペーパーライクフィルムには、摩擦力の強い上質紙タイプと少し弱めのケント紙タイプの2種類があります。今回使用しているのは、後者のケント紙タイプですが、それでも十分摩擦力を感じます。
保護フィルムの上からでもOK
推奨はされていないようですが、保護フィルムの上からでも問題なく利用することができます。下には同じくエレコムの光沢フィルムを貼り付けていますが、基本的な使用は問題なし。剥がす際に、フィルムがくっついてくるという問題もありません。
なにも貼っていない状態と比べると、指でタップした際に反応は鈍くなっている感じがします。ペンでの使用については、差を感じません。
なぜ使わなくなってしまったのか
持ち運びに適しているとは言えない
外したフィルムをキープしておくためのファイルが、ペラペラという問題があります。素材としてはあくまで普通のクリアファイルと同じプラスチックなので、かばんに放り込むと曲がってしまう恐れがあります。
フィルム自体がもっと硬質なものか、ファイルはもっと丈夫なものでないと持ち運ぶには不向きです。
着脱と収納が面倒
着脱したり、フィルムをファイルに収納するのも面倒です。本体に貼る前に、毎回ディスプレイをクロスで拭いて指紋などが無い状態にする必要があります。
家でならまだしも、出先の作業場やカフェなどで、丁寧にクロスでディスプレイをキレイにして、位置をピッタリ合わせて貼る作業はスマートでは無いですし、面倒です。
外してフィルムを収納するのも、そのまま外してカバンにポイというわけに行かず、接着面がファイルにベタベタとくっつくので、こちらも丁寧に位置を合わせて仕舞う必要があります。
筆者はこれらの点が合わず、使わなくなってしまいました。
総評:試みは良い、着脱式の魅力と面倒さのトレードオフ
これまであった普通のペーパーライクフィルムにあった画質の問題を、着脱という形で解決してきたのは、非常に面白いといえます。そうした点では、文字や絵といったApple Pencilを使う摩擦力の必要なシーンと、動画や写真を楽しむといったディスプレイの綺麗さを必要とするシーンの良いとこ取りした製品といえます。
ただ、毎回着脱するのは非常に面倒ですし、持ち運びにも向いていないという欠点も存在します。ペーパーライクフィルムでもある程度見やすさを重視したフィルムや、普通のフィルムを貼っただけでも摩擦は増えます。また、ガッツリお絵かきするのであれば、普通のペーパーライクフィルムの方が向いており、Apple Pencilのヘビーユーザーでもライトユーザーでもこのフィルムで有るべきかは悩みどころです。
着脱の面倒さや、家での利用がメインで外したフィルムの管理が問題にならなければ、実用的でおすすめな製品といえます。
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